ごあいさつ
麻酔科挑戦ブログ→院長ブログ
no.14 DPE(dural puncture epidural)に関してPart2
no.13 DPE(dural puncture epidural)に関して Part1
硬膜外麻酔に加えて、意図的に硬膜に細い穴を開けて
硬膜外腔に入った薬剤がくも膜下腔に入って、
より鎮痛効果を期待する方法です。
この方法だと硬膜外麻酔単独に比べて
麻酔の左右差が少なくなる可能性があるのと
分娩第二期における仙骨領域(殿部周辺)の
鎮痛効果に優れています。
CSEA針を使用して薬液を入れずに穴を開けて、
そのままカテーテルを入れる病院があります。
ただし、現在日本で利用できるCSEA針は
27Gペンシルポイントタイプのみで、
その効果に関してはまだ
十分なエビデンスがそろってないと考えられます。
それでも効果があると実感しているという
御高名な先生もいらしゃいますが、、、
25Gペンシルポイント針の場合には、
上記効果がある程度認められております。
将来的には、無痛分娩の主流になる可能性も
あると考えます。
no.12 カテーテルの信頼性Part3
信頼性のあるカテーテルを挿入するための技術として、
下記のようなCSEA針で
トレーニングを積んだかどうか
というのが大きいと思っています。
(ホームページ無痛分娩のところをご参照ください)
私が現在、麻酔科として勤務している病院では、
何故かこのCSEA針の使用に関してとても寛大です。
(針のコストがかなりかかります)
下記は産科麻酔学会の月間産科麻酔のところから部分的に抜粋しています
今年度から、麻酔科専門医かつ色々資格のある常勤で
こられている先生と先日話をした際に、
ここは日本一、CSEA針を使わせてくれる病院ではないか
と冗談交じり?に喋っていました。
今まで、現在の病院にくるまで麻酔科で
硬膜外麻酔をかけてきたけど
CSEA針を使用したことがない先生もいらっしゃいます。
16Gの硬膜外麻酔針と、27Gのペンシルポイント針を
組み合わせた構造になっています。
僕も病院の寛大さに甘えて、
この針をおそらくここ数年、院内の誰よりも?多用し
使わせてもらいました。
このCSEA針の難しいところは、正中(ど真ん中)を
捉えないとなかなか上手くいかないということです。
こういったトレーニングを受けているかどうか
というのは、非常に大事なことだと思います。
no.11 カテーテルの信頼性Part2
現在のカテーテルは
柔らかく教科書に載っているように、
自分が思ったよりも頭側にまっすぐには行きません。
これは、カテーテルの位置を自分や
ベテランの麻酔科医、硬膜外麻酔後のレントゲンで
何百例と見直した結果、その結論に達しています。
まっすぐ行くのは、理想的ではありますが
それよりも大事なのは、
カテーテルが血管内やくも膜下腔というところに
迷入することが、ごくまれにあり
その状態に早く気づけるかどうかというところです。
(もちろんすぐに抜去します)
また、硬膜下(subdural)というところに
カテーテルが迷入することもあります
(危険度は血管内やくも膜下腔に比べると、まだ低いため無痛分娩施設でも認知度が低い:良く効きますがそのまま継続すると危険なので抜去です)
カテーテルの位置によっては片効きであったり、
効果十分のレベルに達しない場合があります。
微調整しても変わらない場合は
信頼性の低いカテーテルとして、
勇気をもって入れ替えすることが重要です。
形だけのカテーテル挿入ではあまり意味がないのです。
no.10 カテーテルの信頼性 Part1
無痛分娩、硬膜外麻酔で最も重視しているのが、
カテーテルの信頼性です。
どういうことかというと、皮膚皮下組織、靱帯に
局所麻酔した後、硬膜外腔というところに
硬膜外針(当院では17G使用)というのを進めて、
その後カテーテルという、柔らかいチューブの
ようなものを進めます。
大体、硬膜外腔に5cmほどすすめた位置で
固定するわけです。
このカテーテルが、信頼できるかどうかが
無痛分娩の安全、成功の有無に関わってきます。