ごあいさつ

麻酔科挑戦ブログ→院長ブログ

2025-08-27 14:03:00

No.58 <無痛分娩> 患者様からの感想と局所中毒についてPart.1

針を刺す時、怖かったですが、痛みもほぼありませんでした。

出産5分前くらいからはとても痛かったですが

他は頭痛もなかったです。ありがとうございました。

 

私からの補足(院長)

この度、無痛分娩についてのご感想をいただき、

まず一言お礼を申し上げます。

感想を拝受した際、今回のように短いお言葉でまとめてくださったことに少し驚きました。

当院でこれまで感想を書いてくださった方々は、

比較的丁寧に経過や思いを書いてくださることが多く、

長文で率直に感想を綴っていただくことがしばしばでした。

ですから今回のように短く端的なご感想をいただくと、最初は少し意外に感じました。

しかし短いからといって価値が薄いわけでは決してありません。

どのような形であれ、患者様が体験を言葉にしてくださること自体が、

私たちにとってはかけがえのない学びであり励みになります。

これまでいただいたご意見は、直接的な改善点の発見や、

スタッフ教育に役立てる重要なフィードバックとなっています。

皆様の声をそのまま掲載することで、これから無痛分娩を検討される方に

実際の感覚を伝えられると考え、将来的には日時を示さず匿名化した形で冊子にまとめ、

外来でもご覧いただけるようにしたいと考えています。どの感想も私たちの宝物です。

ご記載くださったすべての方に心より感謝申し上げます。

患者様から頂く些細な言葉や行為の一つ一つが、私たちの励みであり、

医療者としての原点を思い出させてくれます。

当院では、無痛分娩を希望される方について、

原則として初産婦の方は妊娠初期から、経産婦の方は妊娠中期以降に私が継続して診させていただいています。

これは単に利便性のためではなく、安全管理上の重要な理由があるからです。

妊婦健診を通じて繰り返し接することで、

患者様の性格や不安の傾向、痛みや薬剤に対する反応、既往歴や家庭環境などが

自然に把握でき分娩時のコミュニケーションや対応が格段にしやすくなります。

分娩当日の急な状況変化にも落ち着いて対処できるのは、

こうした日頃の信頼関係と情報蓄積があるからこそです。

 

また、無痛分娩での硬膜外麻酔には合併症のリスクが伴います。

例えば、局所麻酔薬の血管内誤注入により局麻薬中毒(local anestheticsystemic toxicity:LAST)が

起こる可能性があり、報告によっては血管内誤注入は5〜10%程度の頻度で起こり得るとされています。

2025-08-08 17:12:00

No.57 <前理事長 院長(井出哲正氏) 現 顧問に関して>

私は、ブログを通じて前院長が許可してくれなかったことや、

時々私が発言した内容について記載しています。

ただし、これらが誤解を招く恐れもあるため、

今回はあえて書くことにしました。

実際は、批判しているわけではなく、

むしろ感謝の気持ちを伝えたいと思っています。

私も理事長兼院長という立場に就き、

医療法人井出産婦人科の最高経営責任者・最高診療責任者として、

日々感じていることがあります。

診療責任者としては、自分の知らないことやできていないことに対して、

承認や許可を出すことはできません。

最終的な責任は私が持っているため、何かトラブルや責任問題が起きたときに、

「知らなかった」「聞いていなかった」では、通用しないと痛感しています。

記者会見やニュースで見るように、自分ごととして常に危機感を持ち、

経営方針の決定や医療サービスの質の確保、スタッフの管理、

医療事故やトラブルへの対応について、心配と責任感を抱いています。

コロナ禍や突然の交代の影響もあり、全てを把握しきれていない現状や、

体制の強化にまだ不十分な部分がある焦りもあります。

そんな中、患者様のためにと、自分が必要だと感じた設備や取り組みについて

提案や要望を重ねてきましたが、拒否や対立もありました。

それでも、前院長は自分ができなくても一部承認してくれるなど、

患者様のために尽力してくださったことに深く感謝しています。

この経験を通じて、私も成長し続けることの大切さを痛感しています。

今後も、より謙虚な気持ちを持ちつつ、責任を全うしていきたいと考えています。

2025-08-07 16:19:00

No.56 <初期の人工妊娠中絶に関しての当院の見解>Part.2

とはいえ、やはり金銭的な問題というのは決断の上で重要な要素になってくると思います。

こちらに関しては、今年度よりこども家庭庁から補助金が出ます。

(最大で10万円:なお、こども家庭庁より人工妊娠中絶を希望される方へもリーフレット等を

活用して給付制度のご案内をお願いしますとされています)

また、分娩した施設で中絶をしたくないと思われる方もおられると思いますが、

私自身は、まごころを込めて、老若男女問わず

(産婦人科ですが、、、コロナワクチンなどは前から承っておりました。)

地域の皆様と共に皆様の一生に寄り添い、支えていけるクリニックを目指しています。

少しでも力になれたらと思っております。

 

引用

1:公益社団法人 日本産婦人科医会 

3.早期人工流産(以下,妊娠12 週未満の人工妊娠中絶)について 一部改変

2:公益社団法人 日本産婦人科医会

   3. 子宮腺筋症合併不妊への対応

3:公益社団法人 日本産婦人科医会

   Q7.子宮腺筋症合併妊娠の注意点は?

4:Miller’s Basics of Anesthesia  eight edition, p710

 

参考までに下記は2025年8月3日の時点でラインファーマ株式会社

(メフィーゴパック取り扱い病院、クリニック)から

公式に出ているサイトからスクリーンショットさせて頂きました

(我々が取り入れたときより増えたような気がしますが、、、)。

今後、変更される可能性はあります。ご了承下さい。

 

IMG_1948.png

 

2025-08-05 10:29:00

No.55 <初期の人工妊娠中絶に関しての当院の見解>Part.1

妊娠の中断を決意し受けることは並大抵のことではなく、精神的にも肉体的(身体的)にも辛い状態になると察します。

私は、院長代理の時から流産手術の際に手動真空吸引法(前院長の許可がおりるまでそれなりに時間を要しましたが、、、)をいち早くとりいれており(WHO関連の動画で実はかなり前から知っていた)、

掻把法はもとより(当時より当院で私は掻把法はすでに行っていなかったですが、、)、

電動吸引法に比べて明らかに子宮に対する負担が少ないことを実感しておりました。

当院において、人工妊娠中絶の手術法を選択される場合は、手動真空吸引法を推奨しておりますし、

基本この方法でしか対応しておりません。

現在、園山医師にも指導中です(園山医師は前院長の手前、電動でしかできなかったため)。

子宮にかかる負担を軽減することで、将来の妊娠出産2- 3などに影響や子宮腺筋症、

子宮腔内癒着が出にくいと考えているからです。

【3 回以上のD&C子宮頸管を拡張し、キュレット=掻把器具で子宮内容物を掻き出す方法です 

を受けた女性で子宮腺筋症の率が高い,EVA(電動吸引法) 後にcurettage(掻把法) を

併用するとMVA(手動真空吸引法) に比べて子宮腔癒着の発生頻度が上昇する,

などと報告され,国際産科婦人科連合(FIGO)もそのSafe Abortion(安全な中絶)委員会において

強くD&E(D&Eは、子宮頸管を拡張し、電動または手動の吸引器を用いて子宮内容物を除去する手術法です。) を勧めている1】

それは巡り巡って、後の妊娠出産の時に、よりハイリスク妊娠出産3に繋がりにくくなると考えます。

また、麻酔に関して、無痛はもとより術後の悪心、嘔吐(PONV:ブログNo.28 4)を減らすための薬を導入しており、

かなり効果を実感しております。

また、麻酔薬の内容は特別にカクテルした内容になっており(状態、体質によっては使えません)、

一時的に精神的な苦痛を和らげる効果を認める薬(これは、海外の超一流有名雑誌にも載っています)を使用しており

(複数回 受診していただくことでより和らげることができます)、その効果も実感しております。

また、最近のWebでの学会発表をみていると、薬物療法(メフィーゴパック)を使用することにより、

子宮に対する負担を軽減できると考えております(当院では前院長の許可がなかなか降りなかったので、

今年2025.02.04に入ってからの導入になりました)。

妊娠の中断を決断された皆様には、一時的な値段や便利さだけでなく、

将来の事をも考えて対応をしているクリニックや病院に受診されることを切に願います。

2025-06-20 11:16:00

no.54 <和痛分娩> 患者様から感想

無痛分娩に比べて自然な陣痛が期待できる

というメリットを聞き、和痛分娩を選びました。

個人的には、和痛分娩での筋肉注射は

まったく痛みを感じず、注射を受けた瞬間に

スッと気持ちが楽になったように感じました。

前日から、前駆陣痛が始まっていて、

二晩ほとんど眠れていなかったため、

薬が効き始めてからウトウト眠って

陣痛が起きての繰り返しでした。

事前に説明を受けていた通り、

出産の痛み自体は正直痛かったです。

ただもしこの処置がなかったらと考えると

もっと痛かったのかもしれません。

もしまた出産の機会に恵まれたら

もう一度和痛分娩を選びたいと思います。

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