ごあいさつ
麻酔科挑戦ブログ→院長ブログ
no.29 麻酔科標榜医
この度、令和6年12月26日
厚生労働大臣より麻酔科を標榜することを許可されました。
「標榜」という言葉は聞き慣れないと思いますが、
病院やクリニックで「その科の診療を行なっています」と
看板を挙げることを「診療科の標榜」と言います。
そして「麻酔科の標榜」だけは
厚生労働大臣の許可が必要と医療法で決められています。
逆に言えば、それ以外の「診療科の標榜」は
厚生労働大臣の許可がなくても良いということです。
例えば井出産婦人科、小児科、内科など。
麻酔科標榜の許可を得ている医師のことを
「麻酔科標榜医」と言います。
これは、麻酔科(医)が(他科が各医師の判断で診療科名を掲げることができるのと比較して)極めて専門性が強く、
責任の重い独自性のある分野であることを
考慮した処置であるからと麻酔科学会に記載してあります。
なかなか、長い道のりでした。
no.28 PONV(術後の悪心嘔吐)
術後の悪心、嘔吐のことです。
患者の視点からだと、術後の痛みより術後の悪心嘔吐の方がより
不快かもしれないと麻酔のバイブル書Miller’s Basics of Anesthesia eight editionに記載してあります。
痛みのほうが、当然不快だと思いきや、
悪心嘔吐の方が不快というのは、経験した人しかわかりません。
下記の図にあるような、リスク因子があります。
術後の鎮痛はとても大事ですが、術後のPONV対策というのも
とても大事なのです。
当院でも対策のために、新たにデキサメタゾン
オンダンセトロン、ドロペリドールを導入しようと試みています
(現在、供給不安定で購入できないものもあります)
大人においてど れぐらいの確率でPONVが発生するか、スコア化したもの
no.27 麻酔科医として挑戦するということ Part4
40歳を超えて、産婦人科臨床医として
自分の判断で良い結果を残すのです。
臨床以外にもimpact factorがある海外の有名雑誌に
筆頭著者として何本か載っています
(載せていただきました、お蔵入りしたものも多数^^;)
ある地域周産期センターが、人手不足に陥る可能性が高くなり
そこの院長先生が頭を下げて診療をお願いしに来るのです。
前述の無痛分娩を勉強しに行こうと思った病院でも、
それなりの評価なり給料を得るわけです。
産婦人科医として自信とプライド、余裕というのをもつことは
普通のことだと思います。
そこで畑違いの科にいく機会を得たのですが...
給料は時給換算だと半分以下、
どちらかというと3分の1に近い程度^^;
世間は優しいところではありません。当たり前です。
行ったところは、手術室で人の命をちょっとした判断ミスで大事に至ります。
週3回いくわけですが、物の場所一つ満足に
しばらく覚えられません。
●●先生と同じ学年なのに、なんで全然できないの?と
すぐに看護師から出来ない麻酔科医としてレッテルを貼られます。
今まで築いてきたプライドという幻想は何処へやら、
まさに、ドブ水をすするような毎日の始まりでした...
no.26 麻酔科医として挑戦するということ Part3
私の大学卒業学年、国家試験合格したのは2005年ですが
ちょうどその時は卒後臨床研修制度が始まって、
二年目の学年です。
医局制度の問題点が浮き彫りになり
(教授が人事権を握って、絶対的な権力があった)
医局離れしようか、市中病院に出ようかなど
揺れている時期でした。
ブラックジャックによろしくなんて本も出てきた頃です。
誰もどちらがいいか答えがわからない。
あえて言うなら世論?
(医療業界?我々の医学生のなかの狭いコミュニティ?)では
市中病院でのほうがcommon disease(日常によく遭遇する)をよく見れて
いい研修になるなんていう意見が我々の中に飛び交っていました。
そんな中、私は大学病院で2ヶ月間麻酔を研修しました。
今と違って、パワハラなんて概念がない時代です。
厳しくご指導頂き、ビデオ喉頭鏡もない時代、
マッキントッシュ喉頭鏡という直にみて挿管するという方法ですが
今から考えても相当難しかったのではと思います。
46件研修医時代に挿管していますが
その時はできましたが指導ありきのなかでの件数です。
自分で換気のリスク、挿管のリスクなど、その他もろもろ
考えてしているわけでは決してありません。
それから20年近く全く挿管する機会がなく
(新生児は別です)産婦人科医として生きてきたのです。
no.25 麻酔科医として挑戦するということPart2
今だから言えますが、
麻酔科医として挑戦するということは
とても意味のあることでした。
それまでは産婦人科医として、
さまざまな事を挑戦していました。
その中で、ちょっと変わった静脈麻酔をかけたことがあります。
その際に使用した薬は添付文書での記載はありませんが
得に子供においては喉頭痙攣のリスクが増えるかもしれない
(Miller’s Basics of Anesthesia eight edition)との記載もあります。
子供はちょっとしたことで、喉頭痙攣を起こすのです。
勘違い?した父親にお前何かあったら
挿管できるのかと雷が落ちました。
そこから少し自分の中で考え直すきっかけにもなったのです。