ごあいさつ
麻酔科挑戦ブログ→院長ブログ
no.49 <和痛分娩に関して>
和痛分娩と無痛分娩は明らかに違います。
以前は、無痛というのは書きすぎで、
和痛という表現の方がいいのではと思っていましたが、
最近は、割と硬膜外麻酔が効いてからは、無痛状態に
近い状態で皆様 分娩されているので、やはり区別は
つけた方がいいのではと思いなおしているところです。
経産婦さんに限定していますが(3月より前の記事です)、
突発痛とかもなく、ちゃんんと効くんだけどな、、
というのが現在の思うところです。
ところが、少し前ですが、産科麻酔学会から無痛分娩
という言葉を変更するかどうかという話になっています。
和痛分娩と行っても、ラマーズ法に始まりソフロロジーとか
結構いろいろ方法があるから無痛から和痛となって欲しく
ないなと思っています。
さしずめ、硬膜外和痛分娩とかかなと勝手に思っています。
そしたら、CSEAとかDPEとか脊髄くも膜下麻酔の時は
どうなるんだろうーーと勝手に思っています。
その中で、和痛分娩についての研究論文が発表されていたので
少し解説させていただきます。
今回、2019年にJOGR(Journal of Obtetrics and Gynaecology Reserch)という
日本産婦人科学会としても権威ある、45年以上、
長い発刊歴史をもち、アジアを代表する産婦人科の雑誌に
和痛分娩の観察研究が論文で発表されました
(ちなみに私もこの雑誌に、2015年に筆頭著者として
採択されて載っています。載せてもらいました?)
結論から言うと、今回、論文で使用している薬剤は母体、
新生児の予後や授乳には用法用量を守れば、
安全に陣痛の緩和として安全に使えると。
特に無痛分娩が利用できないとか、
禁忌(できない。例えば血小板が10万より低いとか)の場合に
と結論付けられております。
井出産婦人科も4月に入ってから和痛分娩を開始しました。
ただし、和痛と無痛では世界が違うぐらい違うので
経産婦様は無痛を選択されたほうが良いのでは思っています。
no.48 麻酔科医→院長ブログへの変更
このたび、4月1日から急転直下、
医療法人 井出産婦人科の院長かつ理事長という地位を拝命し、
現在のまま現状把握、新規契約など今までなかった仕事が
山のように降りかかり、また自分自身も改善したい部分が沢山あり、
ようやく今になって、ブログという形で少し書けるようになりました。
これから、急な体制の変更でなるべく混乱が無いように致しますが、
ご迷惑をおかけする部分も多々あるかと思いますが、
これからも井出産婦人科を宜しくお願い致します。
また、この急転直下の展開などは後ほど記載していこうかなと思っております。
麻酔科医としてはあと、2年の研修で専門医受験資格が得られたので未練はありますが、
これからも産科麻酔科医として、皆様により質の高い無痛分娩などを提供し、
より安心安全な方法を模索していこうと思っております。
no.47<無痛分娩を経験してみて>患者様の声
普通に何事もなく終わった患者様の無痛分娩の感想というより
少し変わった経過の妊婦様の無痛分娩の声をお届けしております。
初めは、自然か無通か本当に悩んでいました。
私なりにいろいろ調べ、先生にも聞いて無痛にしました。
経験してみるのもいいなぁと最初は軽い気持ちでした。
でも、健診の時にある程度の出産予定日が決まること、
上の子がいる私にとっては予定が決めやすく
周りにも(主人、親、同僚)伝えることができたことは良かったことの一つだと思います。
当日、二人目だからかお産の進みが早く少し間に合わなかったけど
産む直前くらいで麻酔が効いてきて、最後は本当に痛くありませんでした。
でも不安に思っていた、りきめるのかなぁに関しては
何となく陣痛の感じが分かったので、りきめて良かったです。
無痛に対して不安に思っていたことが2つあり、
1つ目が麻酔をいれる時にめちゃくちゃ痛い。
2つ目がちゃんと力むことが出来るのか?でしたが、
先生のうでが良いのか全くと言っていいくらい大丈夫でした。
そして、2人目を無痛で産んだから思うことですが、
産後の回復がとても早いように感じています。
それが無痛を選択して一番良かったことの一つかもしれません。
次、出産するときも(今回は少し間に合わなかったけど)無痛を選択すると思います。
有難うございました。
<私からの補足>
計画無痛分娩といいながら、急激に陣痛が初来して急産になりました。
今回は、今までの計画分娩の方でも最も進行が早い方でした。
逆にいうと計画分娩を受けてもらってよかったなと、
車中分娩になりかねなかったなと思える経過でした。
計画分娩の時に、急産であった時は、脊髄くも膜下麻酔かCSEAの方が良いと考えますが
硬膜外の準備をして無痛カクテルを作って、さあ刺すぞという段階でしたので
(今は硬膜外麻酔のキットの中にルーチンで脊髄くも膜下麻酔の準備しております)
急な方向転換ができず、硬膜外カテーテルは1分以内に入れましたが
くも膜下麻酔かCSEAに変えたほうが良かったなと思います。
ただし、とても痛がっている妊婦様に対して
CSEAは5万ほど値段が上がるのですが、
口頭同意を得るのも何となく、こういう時は、脊髄くも膜下麻酔でしたね、、
CSEAや脊髄くも膜下麻酔をする時に大事なのは
分離麻酔を行うこと(マーカインをまず使いますが、希釈してmotor blockが怒らないようにすること、
そして僕は麻薬を追加します)頭痛が起きないように25G ペンシルポイント針(CSEAは27Gです)ですること、
子宮が過収縮を起こす可能性があるので、胎児心拍はもちろん観察することと
その対応をすることがとても大事です。
もっと、前回の分娩時間も早かったようですが、
そういった問診に加えて早い時は脊髄くも膜下麻酔かCSEAになるよと
同意書の段階で強調しておくべきでした。
なお、当院では無痛分娩の際に、BMI25以上の方は実は、値段が上がります。
今回の経過は最終的には痛みを感じない無痛分娩を経験してもらえましたが、
痛みの時間が硬膜外麻酔が効いてくるまで15-30分かかりますし、
実際かかりましたので、当初の予定より大幅な値引きをさせて頂きました(私からの気持ちです)
そして、背中を刺す時にめちゃくちゃ痛いというイメージをお持ちだったようですが
当院では局所麻酔の針の太さにもこだわっています。
靱帯(ほとんど局麻は入らないし、刺しても押される感じ)皮下組織、
皮内に適量の局所麻酔を致しますので、硬膜外麻酔を刺す時は痛みというより
押される感じがあると思っておいて下さい(イメージは歯医者さんで麻酔を受ける感じ)
no.46<産婦人科診察の痛み>Part1 産科編
痛みを極力減らすように産婦人科医であり
麻酔科医である以上、常日頃考えます。
その中でも、産婦人科診察は誤解されやすいので
私見を書いておきます。
予定では産科編と婦人科編に別れます。
まずは、妊婦健診の時のことです。
私は井出産婦人科に勤務する前はPelvic examinationの中で
(適切な日本語がないので英語で表現しました。内診台にのって診察を受けることです)
重要視していたのは、経膣超音波でした。
理由は痛くないし、情報量が多いと思っていました。
これは産婦人科になったときに教えて頂いた影響があるのかもしれません。
今、思い返せば当時の部長は切迫早産の診断の時に
内診を重要視していて、経膣超音波での頸管長というのを
あまり重要視していませんでした。
一方、医長以下の先生は逆で経膣超音波での
頸管長を重要視していました。部長は考え方が古いとか言われていました。
なので、部長に苦言を言われながらも頸管長が25mmより
短くなったら早産のリスクが増えて、入院なんてことはザラでした。
(後になって、自分の考え方が全く変わるとはこの時は思っていませんでした)
経験からそういうのとは違うと、内診で判断していた歴史が長い?
部長は怒っていましたが、当時のマニュアル本のようなものにも
そういうことが書いてあったので、どうなんだろうと思っていました。
実際に明確に答えを教えてくれる人がいませんでした。
1996年にIamsさんが(知りもしないのに勝手にイアムズ、イアムズといっていましたが)
早産リスクについて、医師ならだれもが知る超一流雑誌
The New England Jounal of Medicineに載ってから頸管長、頸管長と時代が言い出しました。
(それから実際の論文を熟読してあれ?なんか思っていたのといろいろ違うぞと
3-5年後?くらいに強烈に思ったのを記憶しております)
そこで解釈を間違えていた?研修病院先での自分は、
頸管長をもとに、すぐに入院などしてもらっていました。
その後退院して、予定日超下はもちろん、41週以降
陣痛誘発するなどのパターンはそれなりにありました。
no.45 麻酔科実習生
私も、今勤務している病院で2 or 3ヶ月?ほど実習させてもらいました。
当時は部長と一緒に手術室に周ってラリンゲルマスクというのを
数しれないくらいトライさせてもらった記憶があります。
短期間ですが、また徳島大学の学生が実習にきました。
同じ大学の後輩というのは可愛い、という表現があっているのかわかりませんが
男性・女性に関わらず、可愛く感じます。
相手の目も結構キラキラしており、手技を経験したいという気持ちが伝わってきます。
ある時、担当一緒にあたっていたっけ?と聞いたら、
時間があったのでチャンスがあればさせてもらいたいです。と目を輝かせていました。
マスク換気や気管内挿管をしてもらうのですが、その前に自分が喉頭展開などをして
これは難しいとか、させない方がいいなとか、大丈夫だなとか、
判断してやってもらったりします。
自分はどちらかというと、自分でやって自己完結でいきたいタイプなのに
最近余裕が出てきたのか、そういうやる気がある子には
いろいろとさせてあげたくなります。
去年もそういえば、いろいろと経験させてあげたいなと思う子もいました。
ただ少し残念な事がありました。
僕は血管をエコーを使って取るときは椅子に座って取るのですが、
その椅子の事を勝手に皮肉混じりにおじさん椅子と名付けてます。
その子に解説をした訳でもなんでもないのに、おじさん椅子と言葉を発したら、
ダッシュでもってきてくれるという、、、
流石に20歳くらい離れていたら当然オジサンなんだなと、
再認識せざるを得ませんでした。
でも、そんなにダッシュで反応してくれなくてもいいんだけどな、、、、、