ごあいさつ
麻酔科医としての挑戦ブログ(哲弥先生)
麻酔について
麻酔をかける上で血管確保はとても大事なのですが
(前述のTIVAのところ)、、
血管確保に難重することがあります。
血管が皮膚から遠い場所にある場合、
目で見てもわからないし、触れもしません。
そんな時に、便利なのが超音波です。
一旦、技術を習得すると
とても安心して血管確保できます。
今、麻酔科で研修している産婦人科専門医習得後の
若い先生が血管エコーを使っている時に、
けっこう画面がクルクル動いているのをみると
昔は自分もこうだったのかなと思います。
外来でも役に立ちます。
よく採血に失敗されるのです
と言われる患者様いますが、
超音波でみると、ちょっと奥深く走行しているだけ
の方もしばしば遭遇します。
将来的には、ポータブルの超音波を持ち
歩く時代がくると思いますので、私だけでなく、
当院のスタッフが技術習得できるように
今後サポートしていきたいです。
今回は少し難しい話ですPart2
朝、手術室に入ると、まず点滴をとります。
基本的に関係スタッフ:
オペ看(手術室専属の看護師)が
点滴をとりますが、
実のところ自分自身で点滴をとりたいと
思っています。
万が一、点滴が機能しなくなった場合、
前回のお話でお伝えした通り、
麻酔が機能しなくなります。
そのため、生命線である点滴を
自分でとりたいと思ってしまいます。
最初、オペ看ひとりひとりの腕が分からず、
どきどきしていました。
点滴がとりやすい血管がありますが、
刺して失敗するとその血管が使えなく
なってしまいます。
オペ看の方が積極的に点滴をとってくれていても、
失敗してしまう場合があり、
手術の麻酔の責任者として、
辛い気持ちになってしまいます。
この点滴の重要性をどれだけ理解して
くれているのだろう・・・
と、やるせない気持ちになるときがあります。
つづく・・・
今回は少し難しい話ですPart1
今の全身麻酔はTIVA(total intravenous anesthesia)(ティーヴァ)といって、
全静脈麻酔をすることが多いです。
吸入麻酔を使用せずに麻酔の3要素である
・鎮静
・鎮痛
・筋弛緩
を、経静脈投与薬剤でコントロールする
全身麻酔法です。
吸入麻酔を加えた方がいい場合もありますが、
乳幼児や小児の一部に関しては
点滴を取らせてくれないので、
吸入麻酔から始めます。
そのあたりは今度に・・・
そして、TIVAにおいてかなり危険なことは、
経静脈投与でありその静脈から点滴が
流れなくなると、一気に麻酔として
機能しなくなるということです。
麻酔なしでは手術はできません!
Part2へつづく・・・
麻酔科医として挑戦するということ
今、麻酔科医として勤務している施設に行く前は、
無痛分娩としても結構有名なクリニックに
無痛分娩をやらしてもらえる約束のもと、
週3回行っていました。
しかし、外来でひたすら妊婦健診、退院診察、
一ヶ月健診(もちろん新生児も)、帝王切開の助手
など、産婦人科医としてしか働かせてもらえず、
一向に無痛分娩を教えてくれる気配が
ありませんでした・・・
(帝王切開に関して、当院で最速だったよ。
と院長はご機嫌でしたが(*´∀`*))
まずはスタッフや院内ルールに慣れてからかな?と思っていました。
ちなみに、院内ルールはとても細かく厳しい
ところで、紙カルテのハンコの位置、エコー写真の
貼る位置までも決まっていました(・・;)
そして、スタッフとのコミュニケーション
(院長や他の先生の悪口を聞く係^^;など同調
しながらも、院長を立てる係)がかなり取れ、
院内ルールも完全にできているだろうと
思われた時、再度無痛分娩について確認しました。
すると、今はまだバタバタしているから
もう少し落ち着いてからにして欲しいと・・・
これは当分教えてくれないなと感じました。
そこで意を決し、ダメ元で学生時代に
実習で3ヶ月ほど麻酔科実習していた有名病院に、
メールでお願いしてみました。
つづく・・・
余談ですが・・・
この前、比較的大きな手術の麻酔をかけました。
全身麻酔と硬膜外麻酔というのを併用して、
無事に手術は終わりました。
手術が終わると、可能な人は気管内に挿入していた
チューブ状の管を抜いて、経過観察をします。
麻酔科医として勤務している病院では、
管を抜いて時期に、一旦リカバリールームという
部屋に戻ります。
その後状態を観察して、入院していた病棟に帰る
システムになっています。
リカバリールームでは、執刀医や麻酔科医、
看護師、手の空いた人が、
血圧測定を行なったり、酸素飽和度を図る機械や
心電図などをつけます。
患者さんに「大丈夫ですか?」と声をかけると
「先生ありがとうございました。全く痛くないし、
いい夢を見てましたー。」と。
麻酔科医としては嬉しいのですが、
執刀医の先生にはなんの言葉もありませんでした。
ときどき経験しますが、僕が執刀医だったら
ちょっと嫌だなと思い、
少し複雑な心境になります。