ごあいさつ
麻酔科挑戦ブログ→院長ブログ
no.52 <帝王切開の麻酔> 患者様から感想
背中の麻酔注射、人生で2度目。
1度目は子宮ポリープで別の病院で。
2度目は初産婦で井出産婦人科で。
お腹を丸めるのが、大きく膨らんだお腹では難しく
助産師さんが一生懸命丸めてくれて、深呼吸してねと
優しく声をかけてくれました。
背中の麻酔注射はほんの一瞬で、麻酔は短時間ですぐ効いて、
痛みが全く無いままの帝王切開。
ひっぱられる感覚はあるものの、本当に痛みのないまま、
クリアな状態で我が子の泣き声聞けました。
頭痛も熱もほとんどなく楽しい出産経験になりました。
出産後 鬼のような痛さと熱がと思っていたら、
全くそんなこともなく、産んだ多幸感と
すごくいい痛み止めのお薬(麻酔)のお陰で、
一日一日とスッスとスムーズに動けました。
部屋から赤ちゃんのいるところ(約5m)まで
ノンストップで歩け、我が子お写真も撮れる余裕です。
ご飯も術後2日目から普通食がほとんど食べれて
トイレも自力でいけるし、歯磨きする余裕すらあり
本当に医療の進歩は素晴らしい。
お産し、いろいろ大変だけど本当に稀な貴重な経験をさせて頂き感謝です。
私からの補足
当院での帝王切開率は低いですが、
たまには帝王切開も行います。
私が麻酔科標榜医を取得して以降は全員に、
胸部からの硬膜外麻酔と腰部からの脊椎麻酔を行います。
よほど緊急の時には脊椎麻酔を行い、
後から追加で胸部の硬膜外麻酔を行ったり、
single shot spinalといって、腰部からの脊椎麻酔だけ行う予定ですが、
運がいいのか、今のところそこまでの緊急帝王切開に
ならないように妊娠分娩管理を行っているので、
頭の中のシミュレーションだけに終わっています。
Single shot spinalといって、脊椎麻酔で通常の麻酔薬に加え、
麻薬混ぜる方法を胸部の硬膜外麻酔が出来ない時は行っていました。
これだと24時間までは鎮痛効果が期待できるのですが、
その後は別の鎮痛方法をとらないといけないし、
その後、痛がっておられました。
更に、麻薬を2種類使うのが正式な方法なのですが、
前院長が1種類しか麻薬を使わせてくれなかったために、
術中に腹膜刺激で気持ち悪くなる方が結構おられ、
その時から胸を痛めてました。
胸部の硬膜外麻酔が自信をもってできるようになってからは、
そちらを採用しております。
これだと、大体72時間程度鎮痛効果が期待できるのと、
ボタンを押すことで、痛みをさらに減らすことができるので、
患者様にとっては痛みに対する満足度は上昇しているのでは
ないかなと思っております。
頭痛という記載が少しありましたが、座位で頭痛が
起きるわけでもなく腰椎麻酔後に発生しうるPDPHではないと
思っております。
というのも、私が、腰椎麻酔をかける時には、
患者様との相談になりますが、
ほぼ全例25ゲージペンシルポイント針(以外と難しい)を使用し、
かなりの確率でPDPHを防げるからです。
それでも万が一、PDPHを起こした場合には、保存療法に加えて、
ブラッドパッチをする準備はしております。
井出産婦人科においては、無痛分娩もそうですが、
通常の産婦人科医だとかけれない胸部の硬膜外麻酔が問題なくかけれますので
(よほどBMIがある人や激しく動く人は例外です)安心して、
帝王切開を受けて頂くことが出来ます。
no.51 <和痛分娩> 患者様からの感想
初産婦、出産当日まで自然分娩で産むつもりだったので、
そもそも和痛分娩のことを知らなかった。
子宮口8cmで入院、経験したことのない痛みに
必死に耐えているときに井出先生が
「痛み止めの注射うつか?」
とカーテン向こうからひょっこり現れる。
そこで初めて和痛のことを知り、
筋肉注射の麻酔、自費8000円、
4時間くらい継続するとの説明を受け迷わず打つことを選択。
肩にうってもらい、しばらくすると陣痛の痛み自体
そこまで変わらない気がするけど、
陣痛と陣痛の間はウトウトするくらいものすごく眠くなって、
力を抜いて過ごせたことがとても良かった。
お産の進みが早かったのも、陣痛の合間をリラックスして
呼吸して過ごせたことが大きかったのではと思っています。
また、2人目を授かれたら、井出産婦人科で和痛分娩で出産したいです。
no.50 <和痛分娩> 患者様から感想
初めての出産ということ、お腹の子が大きめであることなどで
予定日が近づくに連れて、不安な気持ちが大きくなってきました。
先生に伝えたところ、和痛分娩という選択肢もあるよと
教えてもらい、どうしても無理なときは和痛にしようかなと、
気持ちが前向きになりました。
最終決定は陣痛中に出来たので、ギリギリまで自分の力で
頑張ってみようかなと思えるようになれたと思います。
陣痛が進み、途中で和痛をしましたが、
その時は一杯一杯で少し痛みが引いてきたかなと
やんわりした記憶が残っています。
ただ、終わってみると和痛がなければもっと痛かった
だろうなと思いました。
自分の力でできる限り頑張りたい方には良いと思います。
産後の身体もとても元気でやってよかったと感じています。
no.49 <和痛分娩に関して>
和痛分娩と無痛分娩は明らかに違います。
以前は、無痛というのは書きすぎで、
和痛という表現の方がいいのではと思っていましたが、
最近は、割と硬膜外麻酔が効いてからは、無痛状態に
近い状態で皆様 分娩されているので、やはり区別は
つけた方がいいのではと思いなおしているところです。
経産婦さんに限定していますが(3月より前の記事です)、
突発痛とかもなく、ちゃんんと効くんだけどな、、
というのが現在の思うところです。
ところが、少し前ですが、産科麻酔学会から無痛分娩
という言葉を変更するかどうかという話になっています。
和痛分娩と行っても、ラマーズ法に始まりソフロロジーとか
結構いろいろ方法があるから無痛から和痛となって欲しく
ないなと思っています。
さしずめ、硬膜外和痛分娩とかかなと勝手に思っています。
そしたら、CSEAとかDPEとか脊髄くも膜下麻酔の時は
どうなるんだろうーーと勝手に思っています。
その中で、和痛分娩についての研究論文が発表されていたので
少し解説させていただきます。
今回、2019年にJOGR(Journal of Obtetrics and Gynaecology Reserch)という
日本産婦人科学会としても権威ある、45年以上、
長い発刊歴史をもち、アジアを代表する産婦人科の雑誌に
和痛分娩の観察研究が論文で発表されました
(ちなみに私もこの雑誌に、2015年に筆頭著者として
採択されて載っています。載せてもらいました?)
結論から言うと、今回、論文で使用している薬剤は母体、
新生児の予後や授乳には用法用量を守れば、
安全に陣痛の緩和として安全に使えると。
特に無痛分娩が利用できないとか、
禁忌(できない。例えば血小板が10万より低いとか)の場合に
と結論付けられております。
井出産婦人科も4月に入ってから和痛分娩を開始しました。
ただし、和痛と無痛では世界が違うぐらい違うので
経産婦様は無痛を選択されたほうが良いのでは思っています。
no.48 麻酔科医→院長ブログへの変更
このたび、4月1日から急転直下、
医療法人 井出産婦人科の院長かつ理事長という地位を拝命し、
現在のまま現状把握、新規契約など今までなかった仕事が
山のように降りかかり、また自分自身も改善したい部分が沢山あり、
ようやく今になって、ブログという形で少し書けるようになりました。
これから、急な体制の変更でなるべく混乱が無いように致しますが、
ご迷惑をおかけする部分も多々あるかと思いますが、
これからも井出産婦人科を宜しくお願い致します。
また、この急転直下の展開などは後ほど記載していこうかなと思っております。
麻酔科医としてはあと、2年の研修で専門医受験資格が得られたので未練はありますが、
これからも産科麻酔科医として、皆様により質の高い無痛分娩などを提供し、
より安心安全な方法を模索していこうと思っております。