ごあいさつ

無痛分娩

正式に無痛分娩をはじめました。

無痛分娩をご希望される方は必ずお読みください。

当院で無痛分娩をするにあたり複数の条件がございます。

下記全てに当てはまる方のみ無痛分娩対応可能です。

 

1  経産婦様

2  計画分娩のため、指定日時で来院していただける方

3 ご主人様が、分娩時に在院可能な方

4 ご夫婦で無痛分娩教室参加(予約制)の方

5 里帰りの方は30週未満で一度受診して頂き

 34週0日〜6日までに受診可能な方

 

※医師の判断により該当していても、お受けできない場合がございます。

(凝固検査異常、強い貧血のある方、入院時に血小板が10万以下、BMI25以上の方など)

 

 

 

⚠下記内容について、詳しくは無痛分娩教室にて

 説明がございますので、必ずご参加ください。

 

 

 

 

目次

 

1 無痛分娩のメリット・デメリット

2 無痛分娩の流れ・方法

3 硬膜外麻酔について

4 無痛分娩開始時期

5 無痛分娩中の過ごし方

6 赤ちゃんと分娩経過への影響

7 合併症

8 費用

 

 

1.無痛分娩のメリット・デメリット

 

【メリット】

陣痛の痛みが自然分娩と比べて少ないことから、

リラックスして分娩することができる。

 

妊婦さんの体力消耗を最小限にすることができ、

産後の回復が早くなることが多い。

 

 

 

万が一、分娩の進行が早い場合や、早く痛みの緩和効果を期待される方には、

京都で対応可能な施設は少ない脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(CSEA)あるいは、脊髄くも膜下麻酔を行います。

硬膜外麻酔と比べ両方とも、5分程度で痛みを

緩和することができます。

 

 

【デメリット】

麻酔によりお産の時間が長引くなどの影響がある。

吸引分娩の可能性は若干(10%ほど)上がりますが、

帝王切開への影響はありません。

 

医療行為には、避けることができない副作用や

合併症が起こりえます。

 

1麻酔による合併症のリスク

 アナフィラキシー反応・頭痛・尿閉・硬膜外血腫・硬膜外膿瘍 

 原因不明の神経障害・局所麻酔中毒・全脊椎麻酔による心停止・呼吸停止

 

2麻酔による副作用のリスク

 低血圧・悪心・嘔吐・痒み・体温上昇・産後創部痛を強く感じる

 

 

2.分娩の方法・流れ

【方法】

完全に痛みをとるのではなく、

耐えられる痛みにコントロールすることを目指します。

つまり安全性を最優先させます。

妊婦さんと赤ちゃんの様子を確認しながら薬を投与。

※分娩進行に伴い、痛みの場所・強さは変化します。

 

【流れ】

★計画分娩となるため、診察時に日程を決めます。

 

① 当日は絶食、水分は可能です。

  指定の時間に受診していただきます。(前日入院の場合もある)

子宮の出口(頚管)をやわらかくさせます。(熟化)

硬膜外麻酔を開始します。

必要に応じて点滴にて陣痛誘発促進を行 います。

 

無痛分娩時に吸引分娩となる可能性は

10%ほどあがります。

 

 

3.硬膜外麻酔について

 

硬膜外麻酔と脊髄くも膜下麻酔併用硬膜外麻酔シェーマ

IMG_1575.JPG

 

Elliott C(2022)AJOGから抜粋し日本語訳と追記

 

 

①硬膜外麻酔はポリウレタン製(ポリアミド性は硬く、

ポリウレタンの方で障害が少ない)の細く柔らかい

カテーテル(チューブ)を背中から硬膜外腔まで入れ、麻酔薬を少しずつ注入し、

痛みを和らげていきます。硬膜外カテーテルを腰あたりから挿入します。

カテーテルを入れる際は背中を広範囲で消毒し、

細菌などが体内へ入らないようにしています。

 

お産の進行により、②硬膜外脊椎麻酔(CSEA)

③脊髄くも膜下麻酔をおこなう場合がございます。

に比べ麻酔効果が早く、5分で効果が出ます。

 

麻酔時の体位↓

(脊椎麻酔と書いてますが、硬膜外麻酔のときも同じです。)

IMG_1423.jpg

 

日本産婦人科医会ホームページより抜粋

 

 

4.無痛分娩開始時期

妊娠37週以降、あらかじめ決めている日時で

来院していただきます。

頚管所見(子宮出口のやわらかさ)によって、

日程が前後する場合がございます。

入院後、患者様の状況や

痛みに合わせて薬を注入していきます。

 

※緊急時や、妊婦さん・赤ちゃんの状態によって

 無痛分娩を行えない場合もございます。

 

 

5.無痛分娩中の過ごし方

①麻酔を始めてから食事はとれません。

 最低8時間は空けて頂きます。

 

 ↓分娩中に摂取可能なもの↓

    水・お茶・スポーツドリンク

 

 

 

②麻酔開始後は基本的にベッドの上で

 過ごしていただきます。

 麻酔中は下半身の感覚が鈍くなります。

 場合により動きも鈍くなります。

 トイレに行くことが出来ない場合は必要に応じて

 管を入れて(導尿)尿を排出させます。

 

 

③胎児の心拍と子宮収縮を必要に応じて

 モニターし、管理します。

(陣痛誘発促進剤中の患者様は必ず行います)

 

 

 

 

6.赤ちゃんと分娩過程への影響

麻酔の影響によりお産の進行がゆっくりとなり、

子宮収縮薬による補助が必要になることがあります。

無痛分娩を行った場合は出産時、

吸引分娩が必要となる頻度が高くなります。

 

 

7.合併症

無痛分娩による合併症(局所麻酔中毒,全脊椎麻酔)、

とても頻度が低いものに対しても早期発見できるように

テストドーズを始め、LAST(局麻中毒)の初期症状

Modified Bromage score麻酔高の頻回の確認をし、

硬膜外麻酔は低濃度の局所麻酔薬に麻薬を加えた

少量分割法で行い、合併症が出やすい30分間

医師が立ち会います。

アナフィラキシー反応が出たときはボスミンを使用する

など院内マニュアル作成しております。

また、イントラリポス・ボスミン・気管内挿管

(ロクロニウム、スガマデクス、ビデオ喉頭鏡)

AEDなどを常時準備し、高次医療機関とは密に連携して

早期対応できるようにしています。

万が一、硬膜外血腫、膿瘍を疑う所見があれば、

速やかに対応いたします。

硬膜穿刺後頭痛を認める方は、

保存療法で改善しない場合はブラッドパッチを行います。

また、他院で無痛分娩後、万が一硬膜穿刺後頭痛で

お悩みの方はご相談下さい。

 

 

 

8.費用

分娩費用は、自費診療となります。

無痛分娩の麻酔は鎮痛効果を保証するものではありません。

そのため、麻酔効果が不十分であった場合でも、費用は一律にかかります。

 

当院分娩費用464.000円に加えて100,000円(CSEAの場合150,000円)が必要です。

その他、個室料等の費用があります。詳しくはホームページ内の「分娩について」をご覧ください。