ごあいさつ
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無痛分娩 患者様からの感想と局麻中毒についてPart2
局所麻酔薬が血管内に入ると「局所麻酔薬全身中毒(LAST)」を
引き起こすことがあり、その初期症状としては
以下のような神経症状がまず現れることが多いとされています。
• 口周囲や舌のしびれ、金属味(味覚異常)
• 耳鳴り、めまい、視覚異常、聴覚低下
• 口が回らない、言語のもつれ、意識混濁、落ち着かない・興奮する
• 体の震えや筋痙攣、けいれん(進行すると全身けいれんに至ること
があります)
神経症状の後、あるいは急速に進行して
以下の循環器症状が出現する
ことがあります。
• 血圧低下、徐脈または重度の頻脈、致死的不整脈、心停止
当院での対応・安全対策
• 投与前の慎重な手技:硬膜外挿入時は吸引チェックや
少量ずつの漸増投与(テストドーズ等)を必ず行い、血管内誤注入のリスクを下げます。
• 監視体制:分娩・麻酔中は血圧、心拍数、酸素飽和度(SpO2)などを
継続的にモニターし、異常があれば直ちに対応します。
• 私やスタッフが手技中および挿入直後は必ず30分は立ち会い、
状態の変化を見逃さない体制をとっています。
• 救命・緊急対応機器の整備:気道確保器具、酸素供給装置、
除細動器(AED)や各種薬剤を備えた救急カートを常備しています。
• 局麻薬全身中毒(LAST)を疑う場合に備え、脂肪乳剤(20%脂肪製剤:イントラリポス)などの
特異的治療薬も即時投与できるよう用意して日頃からシミュレーションを行い、
血管確保は18ゲージ血管内留置針を使用しています。(理由は後日公開します)
• 即時対応プロトコール:疑わしい症状(めまい、口唇・舌のしびれ、けいれん、意識障害、不整脈など)が
出た場合は、投与を中止して直ちに救援を要請し、
気道確保・酸素投与・けいれんの抑制・循環支持を行います。
• 必要に応じて脂肪乳剤投与や高度な循環・呼吸管理、除細動や昇圧薬投与などの
救急処置を速やかに開始し、母体搬送を連携病院に行います。
• スタッフは常に迅速な気道確保と循環サポートが行えるよう訓練されており、
万が一の事態にもチームで対応できる体制を整えています。
さらに当院では以下の取り組みを実施しています。
• 教育・訓練:助産師・看護師を対象に、JALAのカテゴリーDを講習してもらい、
局麻薬全身中毒(LAST)や麻酔関連急変に対する定期的な
シミュレーション訓練を行い、初動対応の精度向上に努めています。
• インフォームドコンセント:無痛分娩のご説明時には合併症の可能性と
当院の対応体制を十分にご説明し、ご納得いただいたうえで同意をいただいています。
疑問点や不安があれば遠慮なくお尋ねください。
• フォローアップ体制:分娩後も観察と必要なフォローアップを行い、
万が一の遅発症状にも迅速に対応できる連絡体制を整えています。
• 記録・検証:発生した事象は詳細に記録し、院内での検討や改善に生かします。
再発防止のための手順見直しやスタッフ教育に反映させます。
• 患者様の声の取り扱い:いただいた感想は匿名化に配慮し、
患者様の同意を得たうえで掲載や資料化を行います。
個人が特定される情報は記載しません。
最後に、当院を信頼して無痛分娩をお任せくださった
すべての患者様に心より感謝申し上げます。
皆様のご意見は私たちの診療を、より安全で丁寧なものにするための大切な資源です。
ホームページ掲載や診療に関して
ご不明な点やご希望があれば、どうぞお気軽にお知らせください。