ごあいさつ
麻酔科挑戦ブログ→院長ブログ
No.55 <初期の人工妊娠中絶に関しての当院の見解>Part.1
妊娠の中断を決意し受けることは並大抵のことではなく、精神的にも肉体的(身体的)にも辛い状態になると察します。
私は、院長代理の時から流産手術の際に手動真空吸引法(前院長の許可がおりるまでそれなりに時間を要しましたが、、、)をいち早くとりいれており(WHO関連の動画で実はかなり前から知っていた)、
掻把法はもとより(当時より当院で私は掻把法はすでに行っていなかったですが、、)、
電動吸引法に比べて明らかに子宮に対する負担が少ないことを実感しておりました。
当院において、人工妊娠中絶の手術法を選択される場合は、手動真空吸引法を推奨しておりますし、
基本この方法でしか対応しておりません。
現在、園山医師にも指導中です(園山医師は前院長の手前、電動でしかできなかったため)。
子宮にかかる負担を軽減することで、将来の妊娠出産2- 3などに影響や子宮腺筋症、
子宮腔内癒着が出にくいと考えているからです。
【3 回以上のD&C(子宮頸管を拡張し、キュレット=掻把器具で子宮内容物を掻き出す方法です)
を受けた女性で子宮腺筋症の率が高い,EVA(電動吸引法) 後にcurettage(掻把法) を
併用するとMVA(手動真空吸引法) に比べて子宮腔癒着の発生頻度が上昇する,
などと報告され,国際産科婦人科連合(FIGO)もそのSafe Abortion(安全な中絶)委員会において
強くD&E(D&Eは、子宮頸管を拡張し、電動または手動の吸引器を用いて子宮内容物を除去する手術法です。) を勧めている1】
それは巡り巡って、後の妊娠出産の時に、よりハイリスク妊娠出産3に繋がりにくくなると考えます。
また、麻酔に関して、無痛はもとより術後の悪心、嘔吐(PONV:ブログNo.28 4)を減らすための薬を導入しており、
かなり効果を実感しております。
また、麻酔薬の内容は特別にカクテルした内容になっており(状態、体質によっては使えません)、
一時的に精神的な苦痛を和らげる効果を認める薬(これは、海外の超一流有名雑誌にも載っています)を使用しており
(複数回 受診していただくことでより和らげることができます)、その効果も実感しております。
また、最近のWebでの学会発表をみていると、薬物療法(メフィーゴパック)を使用することにより、
子宮に対する負担を軽減できると考えております(当院では前院長の許可がなかなか降りなかったので、
今年2025.02.04に入ってからの導入になりました)。
妊娠の中断を決断された皆様には、一時的な値段や便利さだけでなく、
将来の事をも考えて対応をしているクリニックや病院に受診されることを切に願います。