ごあいさつ

麻酔科医としての挑戦ブログ(哲弥先生)

2024-12-27 19:21:00

分離肺換気 Part1

最近、呼吸器外科の麻酔をかけてきました。

定期的に呼吸器外科の麻酔は当ててくれます。

 

呼吸器外科の麻酔の特徴は簡単に言うと患側の肺は換気しない片肺換気です。

なぜなら、両肺換気だと肺が呼吸のたびに膨らんだり

萎んだりしてとても手術がやりにくいからです。

それを可能にするのが、ダブルルーメンチューブ(下記にあるような)という特殊な挿管チューブです。

 

気管支鏡というのを使って、このチューブの位置を微調整していきます。

微調整しても体位変換をするため、必ず再度位置の確認を行い、位置の修正が必要になることもあります。

呼吸器外科は上記のように、特殊な挿管チューブを使用しますが(術中管理も大変ですが)

もう一つ大変なのが、胸部硬膜外麻酔です。中位胸椎の硬膜外麻酔ということになりますが、

この部分の硬膜外麻酔は硬膜外麻酔の中でも最も難しく、更に年配の女性で難易度が高かったです。

 

ここで、硬膜外麻酔が入ると術中、術後の疼痛管理としてとても有用なのです。

思ったよりも早く硬膜外腔に到達し問題なく硬膜外チューブを進めることができてホットするも束の間、

ダブルルーメンという特殊な挿管チューブをいれて、

片肺換気にしたり、酸素濃度を色々かえたり術中にとにかく色々するので、

まだまだ余裕なく一苦労です。

図8.jpg