ごあいさつ
麻酔科医としての挑戦ブログ(哲弥先生)
2024-12-27 19:16:00
無痛カクテル Part2
産科麻酔科学会で勧められていますが上記の図にあるように、
ブビパカインよりかは、レボブピバカイン、ロピバカインが推奨されています。
ブビパカインは脊髄くも膜下麻酔にはよく使われていますが
硬膜外麻酔として使用するときには0.125%~0.25%に希釈して使われるが、
心臓や中枢神経に毒性があること、潜在的な運動神経ブロックが言われており
無痛分娩としてはあまり適していません(特に今年に関してはロピバカインの供給不安定があり、致し方ない場合もあります)
レボブピバカインは心毒性がブピバカインに比べて低いと言われています。
ロピバカインは0.2%~1%までで使用できますが、
ブピバカインに比べて痙攣への閾値が高くより心毒性が低いと言われています。
上記は麻酔のバイブル書 Miller’s Basics of Anesthesia eight editionに記載してありますが
無痛分娩となると、ロピバカイン0.2%だと運動障害をおこす可能性があるために
大体0.1%程度に希釈するパターンが多いのではと推測します。
その分、オピオイド(麻薬:フェンタニル)を混ぜることによって
相乗効果で麻酔効果を強くし、運動神経を遮断しないという効果があります。
これらの薬剤のコンビネーションにより
お互いに量に依存した悪影響を減らすことができるのです。
当院では0.1%アナペイン(ロピバカイン)とフェンタニル2μg/mlという無痛カクテルを現時点では使用しています。
下記は母体安全のへの提言2023. Vol.14に記載している提言の一部です。
参考になれば幸いです。