ごあいさつ

麻酔科医としての挑戦ブログ(哲弥先生)

2024-12-21 13:03:00

無痛分娩の際の血小板(血液を固まらせる機能がある)の値

当院では妊婦様全員に

妊娠後期に貧血や血小板減少がないか、

他の施設と変わらなく行っていますが

無痛分娩を受ける方に関しては、

入院時(無痛分娩をかける時)に必ず

点滴をとる際に、同時に採血を行います。

 

 

そこで血小板の値を確認するわけですが、

理由としては<抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロック ガイドライン>にも載っていますが、

硬膜外および脊髄くも膜下穿刺では血小板数が10万以上であることが望ましい。

8万未満での硬膜外穿刺、5万未満での

脊髄くも膜下穿刺は推奨されないと記載されおり、

これを遵守して硬膜外血腫脊髄内血腫の発生する

リスクに注意しております。

 

 

また、硬膜外血腫のリスクを軽減させるために

より小さい口径の穿刺針を用いることが望ましいと

記載されており今後の検討課題の一つと思います。

妊娠すると血小板は分娩まで減少傾向であり

(外国人のデータであるが、日本人も同様と考えています)

 

 

下記の図(Jessica A, et al. NEJM 2018 )にもあるように

妊娠後期より分娩時の時の値のほうが

より低い値のため、分娩時の値でもって

判断しようと思っているからです。

ただしTable2からは、ほとんどの合併症なき妊婦様は

10万以上であり、ほぼ問題ないと考えています。

図3.jpg

図4.jpg